山芋の風味香る、こぶりで可愛らしいお菓子です。古くは城下町〝小倉〟の上用饅頭として親しまれ、現在も変わらぬ製法で地域の人々に親しまれています。お土産やご進物などにいかがでしょうか。本日は藤屋の「小菊饅頭」についてご紹介します。
「株式会社 つる平」が令和5年7月21日より小菊饅頭の継承販売を開始。販売場所は、つる平直営店(本店・アミュプラザ小倉店・門司店・行橋店)となっております。
販売元の「株式会社 藤屋」が令和5年4月末日をもって閉業されます。商品の製造は3月22日に終了。商品は店頭在庫のみになると思われます。
【公式サイト】http://kogiku-fujiya.com/
【ニュース】https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20230322/5020013030.html
【参考】https://www.newskitaq.com/2023/03/blog-post_4.html?m=1
北九州のお土産である理由
② 生産地/北九州市小倉北区
③ 製造者/株式会社 藤屋
④ 地元らしさ/江戸時代の米粉の饅頭がルーツ
⑤ 入手範囲/
1 小菊饅頭の概要
「株式会社 藤屋」が製造している、北九州の土産菓子です。
山芋と米粉、砂糖で作られた皮にこし餡が包まれているシンプルな和菓子です。蒸して作られるこのような菓子は一般的に上用饅頭と呼ばれています。
饅頭の上部分に「菊」の焼印がされており、白黒それぞれのこし餡があります。
小菊饅頭は藤屋の看板商品として、創業当初より現在に至るまで製造・販売されてきました。藤屋ではこの他にも和菓子をメインに製品を作られています。
その中でも、もう一つの看板商品である小倉城最中も人気の商品です。過去記事で紹介していますので、興味のある方はそちらもご覧ください。
ルーツは〝薯蕷〟時代は〝江戸〟
小菊饅頭の原点となった饅頭は、城下町だった江戸の小倉にて売られていた米粉の饅頭がその原型だといわれています。
古くより貴布禰の前で米の粉を原料にした饅頭を蒸し上げて売る店がありました。これが小倉の名物小菊饅頭のルーツです。
「藤屋」公式サイトより一部引用
公式ページにはこのような説明があり、はっきりとした年代の言及はありませんでしたが、古くから地域に根付いている土産菓子だったことが伺えます。
当時の饅頭は現在の小菊饅頭より大きかったようで、改良を重ね食べやすくした結果現在のサイズになったとのことです。
先ほども述べましたが、このような米粉・山芋を使用した和菓子のことを上用饅頭と書きましたが、本来は原料の山芋や長芋のことを指す「薯蕷(じょうよ)」をあて薯蕷饅頭とするのが正しいそうです。
小倉での知名度も高い歴史ある銘菓
藤屋の創業は昭和29年。創業当初より「小菊饅頭」の名で販売されており、現在も同社の看板商品として地域に親しまれています。
なお、創業の翌年である昭和30年開催の「全国菓子観光大博覧会」にて、金賞を受賞。藤屋の公式ページにはこの賞状の画像が載せられています。
これは実際に調べる中で聞いた話ですが、以前小倉にお住まいだった方に小菊饅頭のことを訊ねてみたところ、そういえば…と思い出した様子で「子供の頃(昭和50年ごろ)に聞いたことがある」と答えて下さりました。
小倉では地元の方になじみが深い湖月堂「栗饅頭」の存在が大きいですが、古くからあるということで当時の子供の耳にも届いていたようです。古くからその地域に根付いているという意味で、小菊饅頭は小倉の郷土菓子とも言えるのではないでしょうか。
なお同じように明治以前からの歴史ある名物として、古くから小倉の町に根付いている百年床のぬか漬けも有名です。
2 食べた感想
どこか懐かしい味わい
菊の印がまず目にとまる、一口サイズな小菊饅頭。皮の生地は薄めで餡がしっかり詰まっています。くちどけは柔らかく、ほろほろとした食感が特徴です。
食べてみると、ほのかに香る山芋の風味と優しい甘さが「どこか懐かしい和菓子」と表現するにふさわしいと思いました。
味は白餡と黒餡の2種類。どちらともこし餡で、小ぶりで食べやすいです。
個包装ではないので注意
小菊饅頭のパッケージは、それぞれ無包装の饅頭をまとめて一つのパッケージに包装している集合包装です。
個包装ではありませんので、開封後は早めに消費する必要があります。
お土産としてお渡しする際は、なるべく小さなパッケージを複数購入する。
または個包装でないことをお伝えするなど、相手方への配慮があると貰う側としても嬉しいですね。
3 売っている場所
「藤屋」は直接 店舗・Web販売をしていない
Webサイトや公式ホームページ等で調べましたが「藤屋」が販売店で直接小売りはしていない様子。
このため北九州市近郊の駅・空港やデパート等のおみやげコーナーにて店舗購入するか、もしくはWeb通販にて購入する必要があります。
以下にそれぞれの店舗を一部ご紹介します。
実店舗
- 市内JR九州在来線各駅・小倉銘品蔵
- 小倉駅新幹線口・おみやげ街道 小倉店
- しろテラス
- 市内各デパート・スーパーのお土産コーナー
- 井筒屋各店舗
- サンリブ・サンリブシティー・マルショク市内各店舗
- ゆめマート市内各店
- イオンモール市内各店
Web・総合ネット通販
【会社名】有限会社ラック
【住所】福岡県 北九州市 小倉北区 大畠 3丁目 8-26
【Web】https://www.rakuten.co.jp/luck-mint3332/
北九州市小倉北区にある寝具や日用雑貨を販売している会社です。住所地に実店舗を営業されており、楽天市場では主に日用雑貨を販売されています。
説明のとおり本来は日用雑貨を取り扱うショップなのですが、この商品のラインナップに唯一〝食品〟が販売されています。それが藤屋の「小菊饅頭」です。
どの様な経緯で同商品を取り扱っているかは分かりませんが、コロナ過の厳しい時期において北九州の銘菓を取り扱って下さり、とてもありがたいです。
お求めの方はリンクを設置しますので、ぜひ商品ページをお調下さい。
4 総合ネット通販で買える商品
・Amazonや楽天など、使いなれていて便利
・大手ショップのポイントが貯まる
・帰りに荷物が増えず、旅に集中できる
・足らなくても、再購入ができる
以下に「小菊饅頭」の各商品を掲載していますので、是非ご活用下さい。
5 他県の類似商品
この記事を掲載するにあたり、北九州の「小菊饅頭」をWebやインターネットショップなどで調べているうちに、楽天市場にて同じ名前の商品を見つけたので合わせてご紹介したいと思います。
静岡県 浜松市の〝小菊饅頭〟
こちらは静岡県浜松市にある御菓子司こぎくという老舗のお菓子屋さん。こちらの小菊饅頭は貞明皇后への献上品として知られているそうです。
北九州の小菊饅頭もそうですが、明治以前より全国に広まっていた「薯蕷饅頭」というお菓子が、それぞれの地域で、それぞれのカタチで、現在も地域の方々に親しまれているのですね。今回は日本の和菓子の歴史を感じる、とてもいい発見をさせて頂きました。
その他のお菓子もご注目!
「御菓子司こぎく」のホームページにて小菊饅頭を調べさせて頂きましたところ、その他のお菓子も多種多様で、北九州の銘菓とはまた違ったお菓子が多いです。
今回は北九州の「小菊饅頭」の紹介ページですので割愛させてもらいますが、下記にリンクを設置してますので、ご興味のある方は是非お調下さい。また公式オンラインショップの他、楽天市場にもショップを開かれていますのでそれぞれご紹介いたします。
6 おわりに
今回は藤屋の小菊饅頭の紹介でしたが、いかがでしたしょうか?
パッケージのデザインからして、歴史の香り漂う小倉の銘菓です。
著者も北九州の銘菓を色々と実食したり、お土産コーナーに目を光らせたりしていましたが、最近はオシャレで素敵なパッケージの土産が多いです。
しかしその中において、レトロ感あるパッケージの小菊饅頭は、変わらない安心感、いや安定感ですね。これを一際感じさせてくれる、土産菓子としての見本的存在だと思っています。
パッケージだけでなく、もちろん中のお饅頭もそうです。
どこか懐かしいく素朴な味わいは、土産菓子の原点を教示てくれて、非常に感慨深いものです。
少々物思いに耽過ぎに聞こえるかもしれませんが、
北九州の「小菊饅頭」をご参考に、皆さんの地元の古き良き銘菓を調べてみてはいかがでしょうか?
きっと、地元の歴史に触れることができると思います。
それでは今日はこの辺で。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
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